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八坂の塔近く、日本三大庚申の一つである八坂庚申堂は、浄蔵貴所が建立、
くくり猿(猿が手足をしばられた姿。欲望が動かないように戒めるもの)で
有名な寺である。庚申堂では年に数回やってくる庚申の日に変わった神事が行われる。

庚申の日には、人間の体中にいる三尸の虫が、
寝ている間に体から脱け出し、天帝(寿命の神)に悪行を告げ口に行くそうだ。
悪いことをした人は天帝に寿命を縮められてしまうとのこと。
そのため、庚申日は徹夜をして虫を出さないようにし(これを庚申待ちと言う)、
この日に徹夜で願えば、どんな願いも叶うとされる。
庚申の日は11時と15時に庚申護摩供やこんにゃく封じ祈祷が行われる。
こんにゃく祈祷とは、病名を書いた紙人形をこんにゃくに貼り紙に包んで天井に
つるす。するとこんにゃくから水分が抜ける如く病気が抜けるというもの。

行事日には「こんにゃく炊き」の接待が。小皿に小さな蒟蒻が3つ。
「千年の昔浄蔵貴所が庚申尊の霊示を受け、庶民の病の病を
治すのに蒟蒻を以ってした。即ち祈祷した蒟蒻を3つ、北に向いて庚申尊を念じ
無言で 食すれば諸病免れる。これを庚申の日に人々に施す」
本堂の経をききながら、皆が本尊に背を向け、静かに食べていたのはこの由来が
あったからだと頂きながら気づいた。(うっかりしゃべらずよかった)

香炉や門の屋根にも「見ざる 聞かざる 言わざる」が。門前にも御堂にも沢山の
くくり猿。かわいそうな姿であるが、丸くぶら下っているのがかわいらしくもある。
「庚申さんはいい人が大好きです。だからいい人にはご利益を与えます。
庚申さんは、わるい人が大嫌いです。だからわるい人には罰を与えます。
庚申さんの願いはみんながいい人になることです」
「庚申さんに大好きになってもらえるように生きていきたい」
ここに参ったら、きっと誰もがそう思うに違いない。
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