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錦市場高倉通に美しい内装の店ができたなあと思っていた。京田辺市で既に人気豆腐料理店 そやの錦店だった。
有名なデザイナー杉木源三氏が手がけたという店内は、作り手の顔が見える白木のカウンターと
竹林の模様が美しい大きなガラス窓が印象的。 灯があふれるこの店を、通り過ぎる人が羨ましそうに眺めていく。
錦そやがOPENしたのが2007年6月のこと。ランチ、ディナー共に現在は2500円のコース1つのみの営業だ。

18時に予約を入れ、いそいそと出かけると、既にカウンターは8割ほど埋まっており、若い店主は忙しさの真っ只中。
それでもやさしい笑顔で迎えてくれた。後ろの戸棚にコートなどを入れるスペースがあり、どうぞと案内された。
こじんまりとして良い店だなと思って、 周りを見ると、既に開始組は、料理を待つ時間を持て余しているようだった。

これは申し訳ない時間に来てしまったかななどと思いつつ、日本酒と梅酒を頼む。

ゆっくりしようと酒を楽しみながら、料理を待っていると、予約なしの老年のご夫婦がやってきた。
「予約がないのだけれど、大丈夫ですか?」
ちょうど2席空いていた。
店主はにっこりと「どうぞ」と言ったのだが、
奥さんだろうか、もう一人のスタッフの「いっぱいいっぱいなのに・・・」という表情が見えてしまった。
確かに、ほとんどの人の皿は既に空いている。
一人で一生懸命作られているのがわかったので、こちらも少しドキドキしてきた。
そうしているうちに先付け豆腐が。かぼすやいくらが散りばめられた、とろとろの餡に自家製の豆腐。
丁寧に作られたのがよくわかる。 器も美しく期待が高まる。

次は絵のように美しい一皿が。
朴葉に近江名物赤こんにゃく、からりと揚げられた小魚、一口鯖寿司、カラスミが乗せられた一口豆腐などの 前菜盛り合わせ。
店主がゆっくりと一つ一つ説明してくれる。

その時に、はたと気がついた。自家製豆乳がまだ来ていない。
しかしながら、もうメニューも下げられており、何よりも忙しそうな様子を見ていると、言い出せない。
奥の方では豆腐販売もしながらもう一人のスタッフの方が、アシストをされている。
スタッフを増やすか、この方が頻繁に客と話しに出てくれば、もっともっとよくなるのになあと親心で思った。

さて、スタッフの方が奥から運んできたのが豆乳鍋。しばし火にかけて待つ。
海の幸、キムチ風味、白トリュフとチーズのイタリアン、季節の牡蠣などから、この日は野菜と味噌をチョイス。
ぐつぐつしてきたところで食べごろ。
鍋には、野菜や肉がいっぱいの豆乳の中に浮かんでいて豆の良い香りがする。
この中で煮込まれた野菜や肉は、ほんのりと甘くて美味。

特におすすめは、好みで朴葉味噌を調節して溶かしながら頂く味噌鍋だ。
更に七味などの香辛料が4種類も用意されていて、ちょっとずつ試しながら頂くと面白い。
スープの一滴まで残すのが惜しいほどの味。
家庭で試したい場合は、持ち帰り用豆乳を錦小路の方の窓口で販売しているので、
お近くの方はこちらを利用すると良いだろう 。

おかずは(豆腐ハンバーグ、 がんもどきのたいたん、 おからコロッケ、 豆腐ステーキ 、厚揚げのトマト煮込み)から
おからとがんもどきをチョイス。

からりと揚がったコロッケにタルタルソース。がんもどきに添えられたのは生麩やいんげんなど彩りも美しく。
白いご飯の釜飯は店主自ら窯の蓋を開けてよそってくれる。

最後におこげもいれて、だし汁をかけお茶漬けに。 とても楽しい。
デザートは豆乳のいちごケーキ。パウダーシュガーがまるで雪のよう。
和束の茶でコースをしめる。店主のやさしさが伝わる良い店であった。
1つ望むとすれば、無理してカウンターをいっぱいにすることはないのではないかということだ。
余計な老婆心だが、一生懸命されているのがわかるだけに、ヒヤヒヤして見ていられないのだ。
もっと店主と気軽に話ができるほど余裕が感じられると有難い。そうすれば出し忘れもなくなるだろうし。
そして、こちらは店ではなく客のマナーの問題だが、飛び込みで来られた奥様、食事が出る度にフラッシュをたくのは止めてもらいたい。
デジカメであればフラッシュがなくとも(少し画像が落ちるかもしれないが)それなりに撮影はできるであろう。
その光がどちらを照らすのかを考えて欲しい。 いちいちピカピカ光る眩しさ中での食事は、意外とつらいものである。
せっかくのカウンター席、楽しく粋に味わいたいものである。
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