|
堺町通御池下ル。いつも入口に飾られる季節の花が、道行く人々を楽しませてくれる店がある。
その花に誘われるように町家の前へ立てば、花の後ろで和久傳の看板が覗く。そう、料亭の和久傳である。

堺町店は奥に料亭、手前に菓子などの販売処、その2階に茶菓席を併設している。
意外とこの茶店をご存じない方は多いのではないだろうか?
町家を美しく改装した店内。大きなテーブルを囲むソファ席からは、開放感溢れる窓越しに中庭が。
グループの方はここに通されることが多い。

この日は格子窓の席へ。和久傳は大人のための空間を提供してくれる。こんなに静かで落ち着いたひとときを味わえる場所は多くない。
まずは桜茶(桜の季節)と艶ほくろ(ほうらくで煎った黒豆で、ざらめが絡めてあるかりっとした菓子)でおもてなし頂く。

季節の日向夏ゼリーと蓮根餅のセット(1000円) とわらび餅(800円)を注文。
あろっと口の中で丸まるような感触の蓮根餅はどこか懐かしい味。日向夏の蓋を取ると瑞々しいゼリーが現れる。
水のような喉越しで、渇きを癒すようにさらりと流れる。

特選の本わらび粉を使用したという作りたてのわらび餅。
きな粉がまぶしてあって、むにゅっと美味しいこと。お好みで和三盆糖蜜を。抹茶と一緒に
少し喉が渇いたかなと思っている頃合いにほうじ茶とお代わり用の急須が。
この間がいい。気に入ったら、1階の店で求めることもできる。

お値段は決して安くはないと思うが、この応対と雰囲気。そして茶菓の美味しさを考えたら不満の欠片も無い。
是非本物の大人の方に利用してもらいたい。 そして混雑していないのなら、ゆっくりと長く京都を味わって欲しい。

和久傳初夏の風景。日除けも美しい。

紫野和久傳の情報を追加しました 2008.10


10月の紫野和久傳。四季折々の鉢植えはいつも路行く人々の目を楽しませてくれている。
あまりに綺麗なのでいつも近寄って、じっくりみたいのだけれど、
紫野和久傳はスタッフの教育が行き届いているので「中へどうぞ」と声をかけられてしまう。
「帰りに来ますんで」といつも申し訳なく立ち去るのであった(笑)。

5月藤。2月梅。
2010年和久傳 南天。

京町家で甘味(オトナ向き)
|